西日本新聞 7月3日(金)15時32分配信
夜間の犯罪抑止と事件解決に貢献しようと、福岡県太宰府市の清掃会社が所有するごみ回収車にカメラを装着、捜査に役立てる協定を筑紫野署と結んだ。車両の前後左右から不審者などを見張る「目」として、署から要請があれば映像を提供するという。県内初の試みで警察側も「大変心強い」と期待している。
協力するのは「太宰府清掃」(田川淳一社長)。市から委託を受け、市内約6割の区域を対象に、日中はリサイクル品、午後10時から翌午前6時の間は可燃物や不燃物を回収している。
今年1月、ごみの回収忘れ防止と交通事故の対策を兼ね、10台の回収車の前方と左右、後方にカメラを計4機設置。トラック4台にも数機ずつ備えた。これまでも、業務中に不審者や徘徊(はいかい)している高齢者を発見することがあったことから「ごみ回収以外にも活用できないか」(田川社長)と署に相談。4月に「職域ボランティア協定」を結んだ。
署によると、管轄する太宰府、筑紫野両市は地域住民の防犯パトロール活動が盛ん。ただ、多くは夕方から午後9時ごろまでで「深夜から未明にかけては、警察以外の“警戒の目”がない空白の時間帯」という。強制わいせつなど性犯罪を中心に、この時間帯に発生する事件は少なくない。
車両には衛星利用測位システム(GPS)と連動するドライブレコーダーも搭載しており、録画された映像には走行場所や時間も記録される。田川社長は「業務で市内を走っていると、ちょっとした変化に気が付く。地域住民の安全安心につながるよう、活動を進めたい」と意気込みを語る。
=2015/07/03付 西日本新聞夕刊=
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